部分的矯正治療
部分的矯正治療とは
全体(本格)矯正と異なり、下の前歯だけがガタガタしていたり、1本の奥歯だけが倒れていたりする場合に、部分的に装置を付けて行う矯正治療です。
部分矯正だけの方が良いのか、全体矯正にすべきなのかの見極めが大切になってきます。また、治療の際には、動かす部分と動かさない部分のメリハリをきちっとすることがポイントになります。
補綴物(クラウンやブリッジ)の前処置として行う場合の部分矯正は、一般歯科医、インプラント医との連携が重要になってきます。
治療の流れ
口腔内診査、口腔内写真撮影を行い、治療の概略をご説明します。
レントゲン、歯型、顔面・口腔内写真撮影、顎のズレチェック、口腔周囲筋検査を行います。
(初診相談で部分矯正が確定できている場合には、検査項目が少なくなります)
検査の分析結果、具体的な治療方針や治療期間をご説明します。
集団指導による簡単な理論と歯科衛生士の個人指導による実技を学んで、う蝕と歯周病のリスクを下げていきます。
ワイヤーの装置を使って歯並びを整えます。
お口の状態にもよりますが、治療期間は0.5~1年、月1回程度の通院で通院回数は6回〜12回程度です。
矯正治療後の歯並びの状態を安定させる期間です。来院間隔は2~6ヶ月で、マルチブラケット装置撤去後2年間です。
*注:診断時に、全体矯正か部分矯正かを比較検討する必要がある場合には、検査・診断は、全体矯正と同じになります。
費用
矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。
初診相談料
(検査代をお支払いの際に、返金します)
2,200円(税込)
開始時精密検査料
33,000円(税込)
診断料
6,600円(税込)
矯正治療基本料
165,000円〜440,000円(税込)
管理調整料(およそ月に一度)
(歯科衛生士による毎回のクリニーング代を含む)
3,300円〜6,600円(税込)
*注:診断時に、全体矯正か部分矯正かを比較検討する必要がある場合には、検査・診断は、全体矯正と同じになります。
部分的矯正治療のメリット
部分のみの治療となるため、治療期間や費用の面で負担が軽減されます。
補綴物(クラウンやブリッジ)の前処置として行う場合の部分矯正では、抜髄(歯の神経を抜く処置)を回避できたり、抜歯の確率を下げたりすることができます。
部分的矯正治療に伴う一般的なリスクや副作用について
引用:日本矯正歯科学会
- 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2 週間で慣れてきます。
- 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくく なるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
- 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
- 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 動的治療が終了し装置が外れた後に現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や むし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
- 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せ の「後戻り」が生じる可能性があります。
- 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
- 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
リスクについてご心配な方は、初診相談の際にご気軽にご質問ください。
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