矯正治療は、開始する前が大切です。矯正専門の医院、一般歯科の先生が矯正治療もされている医院、大学などからアルバイトの先生が来られている医院、その形態は様々です。検査の内容から始まって、診断、治療方針、また、治療のゴールも大きく異なるのが現状です。卒業した大学、あるいはこれまでの勉強内容、経験した症例などで、考え方も異なります。費用もばらばらです。
一度治療が始まってしまうと、治療費の問題もあって、なかなか転医は困難です。開始する前に、矯正治療を受ける医院を探し、選びましょう。初診相談というものがどこの医院にもあるはずです。2ヶ所3ヶ所と納得いくまで、医師の話を聞き、また矯正治療を受けられる患者さんご本人との相性も含めて、よく考えてください。
矯正治療は長い年月を要しますし、塾やお稽古事と同じで、患者さんのやる気が大きく治療成績に影響してきます。矯正治療を行う医師には、患者さんの協力を得る力が要求されますし、その医院には、患者さんが快適に通院できる環境が必要です。予防歯科を大切に考えているかも、複雑な装置を使う矯正治療には大切なことだと考えます。安易に開始してしまうと、途中で挫折しなくてはいけなくなったり、思っていた程の治療成績が得られなかったりすることがあるかもしれません。開始前にご自分あるいはお子さんに適した医院を探して選ぶことをお勧めします。
注意点のまとめ
- 必ず、本人、子供にとって最適な診療所を探して、選んでください。
- 矯正の診療所には、検査、診断、治療方針、費用など違いがあります。
(ファーストフードのハンバーガーとは違います!) - 子供の前向きな態度が治療の成功のカギになってくるため、先生との相性、楽しく通院できる環境も大切です。
(塾やピアノの先生、テニスのコーチと同じです!) - 矯正治療の意義とすばらしさ、そして大変さの両方の説明を受け、納得してから開始しましょう。開始の時期についてもよく相談しましょう。
- 初診相談を納得いくまで受けましょう。
複数の医院で相談を受けるのもいいと思います。
開始してからでは費用の問題など転医が難しいので、開始する前が大切です
診療科目の表示と資格について
皆さんは、医科、歯科の医院における診療科目の標榜(看板に表示すること)は医師の自由意志に任せられていることをご存知でしょうか?内科、外科、小児科、矯正歯科、口腔外科などの表示は、何の資格試験もなく、保険所に届出さえすれば、自由に書けるのです。また、一方で、認定医や指導医などといった資格を看板に書くことは、医療法で禁止されています。
だからこそ、めんどうでも、あちこちから情報を得、自分の目で、耳で、頭で判断して、ドクターを選ぶ必要があるのです。厚生労働省でも専門医制度が必要であるとして、現在委員会を発足していますが、実現にはもう少し時間がかかると思われます。
自分で探して、選ぶ! 頑張ってください!