先日、元阪神タイガースの八木選手のお話を伺いました。「4打席1安打か3打席1安打かの違い、たった1本の違いが、並か一流かの差になる。集中しているかどうかは、結果で判断されるだけのこと、その結果は練習から生まれるもの。」と厳しいプロの世界について語っておられました。なるほど。。。流石。。。
矯正歯科医の並か一流も打率で決まると言えるでしょう。何割の患者さんを、80歳90歳まで安心して過ごせる結果に終われるか。だと思います。矯正の場合、打率が3割では一流とは言えないわけで、やはり9割以上で、初めて一流といえると思います。10割を目指してがんばっていますが、舌や口唇の癖の強い人や、顎関節の問題の大きい人は、難しいものがあります。思わぬ悪条件を伴う場合もありますし、過去には、患者さんとの思い違いで苦い経験をしたこともあります。
医療はどの分野でも、例えば、がん治療や救急医療でも、誰が担当しても助かる症例、逆に誰が担当しても治らない症例、そして、その間に位置する、一流にかかれば治るのに、そうでないと治らない症例があります。
患者さんには、その現実を知っていてほしいと思います。矯正装置がすばらしければ、誰にでも治せるものではないのです。矯正は特に専門性が高いのと、治療の成果がわかるのに時間がかかるので、その評価がとても難しいと思われますが、うわべだけではなく、地域の評判や複数のお友達からの情報を集めて、矯正治療終了時あるいは、終了後何年か後の打率をしっかりと見定めて(これってホント難しいよね!)、矯正治療を開始してほしいと思います
タグ: 矯正
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矯正歯科の打率
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今日、一番うれしかったこと
小学3年生のときに、将来、手術になるかもしれないようなすごい出っ歯さんだったI君獵第一期治療、観察期間、第二期治療、安定を確認する保定期間とずーーっと続けて、いよいよイノウエ矯正歯科卒業の日になりました
今は大学2年生。すっかりりっぱに成長されました。昔の模型や写真を見ながら、いろいろなシーンをなつかしく思い出して、”きれいになった歯を一生大切にしてね。。”ってお話していました
。そして、”I君が小さい時の舌や口唇のビデオが、悪いサンプルとしてとてもわかりやすいので、他の患者さんに教えてあげるために使わせてほしいんだけど嫌かしら?”っておそるおそるたずねたところ、”役に立つんだったらいいよ
”ってあっさりOKをくれました
。なんだか、感慨無量って感じの喜びで、日頃の苦労が吹っ飛びました。I君ありがとう
。これからの患者さんのために、大切に使わせていただきますね
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本物の矯正治療
以前のブログに、アメリカは矯正治療の歴史が長いので、アメリカ人のお母さんは、矯正治療のことをよく知っているという話をしましたが、日本の患者さんにも、本物の矯正治療とはどんなものかを早く知ってもらいたいと思っています獵
不正咬合はさまざまな要因から生じていますから、一口に出っ歯や受け口と言っても、どれ一つとして同じ症例はありません。ですから、日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)は、その成り立ちがどうなっているのか、どう治療すべきなのか、詳しい検査を行います
正貌、側貌の評価(お顔の形の評価)、模型分析(歯型をとって、歯のサイズを測ったり、噛み合わせの状況をしっかり把握していきます。)セファロ分析(横顔のレントゲンを撮って、標準の骨格と比較し、受け口でも、上あごが小さいためか、下あごが大きいためか、あごの大きさには問題がなく、歯の角度の問題なのか、を判断していくための分析です。)を行います。正面からのレントゲンでは、左右の非対称がないか調べます。あごの動きの診査、顎関節の状況の把握、舌や口唇の癖のチェックなど、さまざまな情報から、最も適した治療法を探っていきます。同じ出っ歯に見えても、えらがはったタイプとお公家さんのようなあごのタイプの人では、対応が変わります。同じぐらいのガタガタに見えても、骨格のタイプで抜歯・非抜歯の対応が異なります
それが本物の矯正治療の検査、診断、治療方針の決定です。成長発育の様子をしっかり見据えて、治療のタイミングを決定するのも重要です。矯正治療の成否の70%は検査、診断、治療方針の決定にかかっていると言われています
きちんとした本物の矯正治療かどうか、しっかりと確かめてから、治療をスタートしてもらいましょう
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診療室の人気者
イノウエ矯正歯科には、患者さんに喜んでいただけるような楽しいグッズがたくさんあります
。その中の一つが、マグネット付きのおサルさんです
。黄色の鉄の丸柱のくっつけてあるのですが、患者さんが思い思いに、形を変えてくださいます。写真は、Yちゃんが作ってくれた傑作です
。すごいでしょ。思わず、写真を撮っちゃいました
。他にも、もう少し大きいサルが、階段のロープにぶら下がっていたり。小さな歯が積み木になったり。。娘に”ママの診療所は歯医者さんらしくなくて、いいでしょ。”というと、”幼稚園みたい。”と言われてしまいました。成人の患者さんには、ごめんなさい。でも、たまには、幼稚園の雰囲気も癒しの効果があるような。。。楽しい診療所で、楽しく矯正治療を受けていただきたい。それがイノウエ矯正歯科の願いです
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医療界の広告規制緩和
少し前に、医療界における広告規制緩和がなされたということをご存知ですか?確か、患者さんがもっと多くの情報を自由に得て、医師を選べることを可能にする。ということを目的をしていたのではなかったかと思うのです。私もその当時は、あまり感心もなく、ふーーん。ぐらいのものでした殮。
でも、最近、その弊害が目立ってきています。以前から何度も書いていますが、広告規制緩和により、ビジネスの波が医療界に押し寄せ、まるで、医療が商品のように広告宣伝されるようになっているのです
。矯正も例外ではありません。ネットをフル活用し、HPでは、最先端の治療法を採用しているので、早く、痛みもなく、目立たず、簡単に治してあげられますよ。というようなきらびやかな文言がめだつようになりました
。
私たち専門家は、新しい装置や技術が次々と紹介されているのは知っていますが、それぞれに限界はあり、欠点もあり、そんな夢のような装置など開発されていないことは知っていますし、きちんとした診断力と技術力、経験がないと、きちんとした矯正治療はできないし、新しい装置も使いこなせないことは、わかっているのですが、素人の方には、素晴らしい!と目に映ると思います。
誇大広告に近いと思うのですが、医療界には消費者センターは関与できないそうです。私は、広告規制緩和をしたなら、消費者センターも関与できるようにするべきだと思うのですが。。。。
今のところは、患者さんが賢くなるしかないのです。きらびやかな文言に惑わされることなく、しっかり先生を選んでください。矯正治療は、そんなに底の浅いものではありません。結果が出るのに、時間がかかりますので、気が付くのが遅くなる可能性があります。費用も戻らない可能性もあります。何よりも、大切な歯の健康を損なうことだってあるのです
。このままだと被害者が、そのうちどんどん出てくるのではないかと心配しています
。
きらびやかなHPや、にぎわっている診療所の雰囲気や、やさしいスタッフの応対に惑わされることなく、きちっとした治療を受けられる先生かどうかを自分の目で耳で、しっかり判断してください
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矯正治療と心臓手術の共通点と相違点
一昨日のブログを書いてから、矯正治療と心臓手術のどこがいっしょでどこが違うんだろう。。。令と自分で言い出しながら気になっていました。心臓手術のことはよくわかりませんが、(“ブラックジャックはどこにいる“という心臓外科の南淵先生の本は読んだことがありますが。。。)心臓外科はメス一本で勝負!みたいな感じがしますが、矯正はなんとなく装置がいろいろとあるので、患者さんもドクターでさえも、装置をつけさえすれば、治るような気がする。という点が違うかも?と思いました。この装置こそ万能であるかのような講習会が開かれて、広告宣伝合戦のような感じになるのかもしれません。いつも言うように、装置はもちろん大切ですが、それはごく一部でしかありません。骨格の成長発育のコントロールのために、どの装置をどのタイミングで選択するのか、どの装置をどう使って、どう歯を移動すべきなのか。それを考えるドクターの診断力
とそれを扱う技術力
の方がずっと大きなウェイトを占めるのです。そういう意味では、心臓外科と同じだと思います。
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今年もモッコウバラが咲きました
毎年楽しみにしているイノウエ矯正歯科のモッコウバラが満開です
。その隣には白いバラも咲き始め、もうすぐするとその奥にピンクのバラが咲きます
。阪大生の皆さん、商店街の方へ行かずに、箕面線の踏み切りも手前のを渡って、この時期、イノウエ矯正歯科のバラを楽しんでください
。(そう言えば、私も阪大生の時は、商店街の方を通るか、もう一方の踏み切りを渡っていたような。。その昔、イノウエ矯正歯科の場所は、お隣の家のバラ園だったとか。。知らんかった。。その頃は花よりダンゴでした
)
実は初めて、携帯で写真を撮り、メールして、ブログに載せるというキョウビ当たり前の、私にとっては最先端ITに挑戦してます。うまくアップできますように
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手作りHPにこだわるぞ!
○○○○研究所というコンサルタント会社から、ダイレクトメールが来ました。”ホームページ・広告によって年間250件以上の相談者を確保する手法””検査移行率80%を達成するための初診カウンセリング手法”などなど、経営の仕方を教えてくれるそうです
。うううんんん。でも、矯正治療はそんなモンじゃないでしょ。最後は、矯正歯科医の診断力と技術力と倫理観(使命感)+衛生士としての診断力と技術力と倫理観でしょ。最後は、人間対人間の信頼関係でしょ。医療にも経営のセンスは必要だけど、経営手法だけでそんなに変わるようなものではないでしょ。開始する患者さんが多くても、その後はどうするの令などなど疑問がいっぱい令。矯正治療という領域だからでしょうか?心臓手術はそうはならないでしょうに。。。私は、矯正治療も心臓手術と同じ医療だと思っているけれど。。。なんとなく魅力的に聞こえるお話ですが、私は、よけいに手作りHPにこだわりたくなりました。2001年に私がHPビルダーの使い方を勉強し、(その前にダンナちゃんが、トライアルでミニHPを作ってくれました
。)壁紙の色やバナーを選んで作りました
。リンクやその後の追加の作業は、助っ人さんに頼んでいますが、私の愛情こもったHPです
。子育てみたいな感覚です。私が皆さんにお伝えしたいことを次々と増やしてきました。ちょっとダサイ感じがするとは思いますが、私の愛すべきHPをよろしく
!いつまでこのこだわりHPを続けられるんだろう???がんばるどぉ
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イノウエ矯正歯科の改善(その5:力強い助っ人)
久しぶりに改善シリーズに戻ります。今日は、力強い助っ人のお話です。今、イノウエ矯正歯科には、レントゲン撮影と小さな虫歯の治療などのために、週1回、後輩がお手伝いに来てくれています
。それまでは、診療室が2階、レントゲン室が3階で、私はその都度、階段を上らなければいけなかったのですが、(腰痛の時は、悲惨でした。。
)助っ人さんは、軽やかなフットワークでこなしてくれています。というのも、阪大歯学部テニス部
の後輩なのです。初代権田先生とは去年の歯科の女子ダブルスに出場して、全日本3位になりました
!(7つしか出てないけど。。
)今はご主人のお仕事の都合でカナダにおられます。次の絹田先生もテニスとスキーバッチシのスポーツウーマン
。二人とも一般歯科のドクターとして、活躍してきておられますので、レジン充填と言って、白い樹脂を詰める技には、ビックリ!私は矯正歯科してないので、”歯医者さんてスゴイなぁ。。”なんて、思っちゃいました
小さい子どもさんの相手も上手いので、乳歯の抜歯なんかもバッチシ
力強い助っ人に私は大助かりです
。
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イノウエ矯正歯科の禁煙の成功率
先日、禁煙推進の集まりで、イノウエ矯正歯科での禁煙成功率は9割を超えています。と言うと、びっくり
されることにびっくり
しました。かなり良いところでも3割、アメリカなどはもっと低そうです獵
今まで、当たり前と思っていたのに、どうしてだろう令と考えてみたら、1)矯正治療の初診相談の時、気がついたら、時間延長して矯正治療よりも禁煙のお話をしている自分がいます。がんばって矯正治療したのに、50歳で歯周病で歯がボロボロになったら、どうすんの!もったいないじゃん!タバコやめれば、矯正治療費なんてすぐに貯まるよ!タバコはねぇ。。殺虫剤とか殺鼠剤とか入ってるの知ってる?などなど。。延々お話してしまいます。2)その後、歯科衛生士が、歯磨き指導のときに、”応援してるからねぇ。”とさらにたたみかけます。3)矯正治療はその後、少なくとも動的治療1年半は毎月通院されますから、その際に、スタッフみんなで、”どう?どう?続いてる?すごいねぇ!”って褒め続けます
。そうすれば、みんな禁煙成功されるのです。忘年会は気をつけろぉ
ってしきりに言ってて、無事クリアしたのに、新年会のこと言い忘れて、再喫煙始めてしまった阪大生のM君。診療室に入るなり”今日はまた、タバコくさいじゃん!どうしたん!”みんなすぐわかっちゃうんです。”わかりますか?実は新年会で。。”って照れくさそうなM君
。でも、大丈夫獵また、すぐに禁煙を始めればいいのです。M君も、その後は大丈夫みたいです。以前はパッチを使った人もおられましたが、最近は、パッチもなしで成功されています。ご家族がやめてくださった例もいっぱい。
でも、ミュージッシャンのT君と高校生のI君は、私からの語りかけにも、全くその気なし。いつの日から気が変わってくれることを願いつつ、忘れた頃に、”まだ、気持ち変わんないの?待ってるからねぇ”と声かけを続けています。
チャンピックスという経口の禁煙補助剤も出たようです。大切なのは、本人の意志と周りからのあたたかい応援だと思います。
タバコを吸っている人が悪いんじゃない。みんなで助け合って、タバコの害から健康を守っていきましょう。禁煙と矯正治療は、意外と素敵な組み合わせ。是非、きれいな歯並びときれいな空気をいっしょにゲットしましょう