タグ: 治療

  • インターネット広告

    最近ネットで検索することが増えましたよね。私も知らない土地では、レストランをネットで調べます。でも、地元では口込みの実力派のレストランに行きますよね。そういう実力派レストランって、ネットに出てなくても、いつも満席なんですよね。ネットでチェックしたレストランは、どうしてもあたりはずれがあるような。。
    矯正の世界でも、最近ビジネス化が進んでいるので、ネットが大流行のようです。でも、同じ業界の者が見ると、???のものもいっぱい。○○認定医取得として、単なるの1,2日の講習会の英語のcertificateを掲載したり(あれって、お金さえ払えば、たとえ会場にいなくてももらえるんですよ。)○○学会所属とたくさん並べていても、そんな学会あるの?というようなマイナーな会だったり、、、そりゃ、全くないよりはいいのでしょうが、知らない人が見たら、”すばらしい研修を積んでおられるように見える。。”というのが、ちょっと心配になったりします。
    レストランなら、”はずれ”の場合でも”残念!二度と来ないわ!”で済むけれど、矯正治療は、一生使っていく大切な歯を任せるわけだから、そんな簡単には済まされないわけで、いわゆる”はずれ”にならないように気をつけたいものです。でも、そういう私も、他の科のお医者さんのことは、ホントわからない。。。友達から情報を集めるか、信頼できるネットから選ぶんだろうなぁ。。でも、難しそう!!!

  • 香港大学で講演

    香港大学の矯正科で講演してきました。これから日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)をめざす先生方を中心として、小児歯科の先生やたくさんの若い先生が集まってくださいました。日本と違って、香港を含む欧米の大学の多くには、日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)になるための、ちゃんとした3年間のカリキュラムが組まれたポストグラジュエイト(卒後教育)コースがあります。その授業の一部としてお話しました。若い頃と28年間矯正治療を続けてきた今との違いについて、きちんとした治療を目指すには、原因に目を向けることが必要であることを中心にお話しました。最近は、”簡単に治せます。”というようなうたい文句がインターネットで飛び交っています。もちろん簡単に治る症例もあるかもしれませんが、矯正治療はそんなに甘いものではありません。子どもの治療では、成長発育をコントロールし、大人の治療ではさまざまな問題点を洗い出し、原因に対応した治療をきちんと行わなければ、レベルの高いゴールには到達できません。”そんなに高くなくていいんです。。”って言われる方がおられますが、それは、後戻りに繋がります。2,3日の研修会が出す認定証などは、領収証のようなもので、うちには山のようにころがっています。”矯正治療って、奥が深い。”って、阪大歯学部の矯正科で10年、開業して18年、矯正治療にまじめに取り組んでいても、つくづく思っています。逆に、逆に長年真剣に取り組んできたからこそ、そう思うのかも?こんな話をすると年をとったなぁ。。って思いますが、そんなこんなを、香港大学の若い日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)の卵さん達は熱心に聴いてくれました。

  • またプロフェッショナルの続き

    ブログ連続記録更新しています。こだわりのプロのお話の続きのような、一番奥の7番目の歯につけるブラケット(小さな金属の装置)のお話。診療が終わって帰る準備をしていると、Mちゃんのお母さんから「今日つけてもらったばかりなのに、何にもしないうちに一番奥の装置が取れた。こんなに簡単に取れるようでは困るではないか!」とちょっとお怒りのお電話が入りました。聞くとワイヤーがほっぺたにあたって痛いらしいので、すぐに来ていただくことにしました。一番奥にある7番目の歯は、一番装置がつけにくい部分、トラブルも起こりやすくて、ほっぺたが痛くなったりしやすい場所で、患者さんからのクレームも出易い部分。だから、日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)でも、7番めの歯のにはブラケットをつけず、コントロールをしない人もいます。その方が何倍も楽だからです。でも、こだわりのあるプロは、よほどの理由が無い限り、ブラケットをつけてコントロールしようとします。7番目の歯の位置がずれたままだと、虫歯、歯周病、顎関節症などいろいろな問題を起こしてきやすいからです。こんなお話をさせていただくと、お母さんも納得してくださった様子。そうですよね。そういう事情がわからないと、文句も言いたくなりますよね。せっかくプロとしてこだわりの矯正治療に取り組んでいるんだから、もっともっと理解しあって、もっともっと協力し合って、レベルの高い治療を目指していこう。と気付かされた今日の出来事でした。

  • プロフェッショナルの続き

    今日は休診日だったので、危うく、”毎日ブログ”が途切れるところでした。昨日診療しながらと患者さんとプロフェッショナルの話をしていました。その患者さんが、”もうきれいに歯が並んできたから、そろそろはずれますか?”ってお聞きになったので、”プロフェッショナルな矯正医はねぇ。。”ってお話になりました。プロの矯正歯科医はどうするのか?素人の人が、じゅうぶんきれいと思った段階から、プロの勝負が始まります。まず、早めにパノラマというレントゲンを撮って、すべての歯の根っこが平行に並んでいるかどうかをチェックします。歯周病の抵抗性を上げるために、平行に並んでいることが要求されます。次に、歯型を撮って、歯の外形ラインが揃っているか、中央に走っているラインが揃っているか、外側から見て、山と谷がしっかり咬みあっているだけでなく、裏側(舌の側)から見ても、しっかり咬みあっているか。をチェックします。顎を前へ移動したとき、前歯だけで誘導できているか、横に動かしたときは、糸切り歯で誘導できているか。それらの条件をすべて満たせるよう、微調整を行っていきます。矯正治療の100点満点は、とても難しいのです。他にも、チェック項目はいっぱいあるのですが、100点に限りなく近づけることで、装置をはずした後の安定がずいぶん違ってきます。矯正装置をつければ、歯が勝手に並ぶと思っている人が多いかもしれませんが、そんなものじゃないんです。長年のトレーニングとこだわりで、仕上げはずいぶん変わります。上下の前歯の関係をきちんとするためには、舌のコントロールも重要になってきます。だから、患者さんいは口腔周囲筋機能療法(MFT)もがんばっていただきます。ホント、矯正治療って、患者さんと私やスタッフたち医療側の心が一つになって初めて、100点満点に近いゴールが得られる医療だと思います。100点をゲットすることは本当に難しいことなのだけど、みんなでいっしょにがんばるどぉ!

  • プロフェッショナル

    3日坊主だとしたら、ブログ連続は今日で終わりかもしれませんが。。昨晩、NHKのプロフェッショナルを見ました。3つ星シェフの自分の仕事への真摯な姿に感動しました。ふと、昨日の初診相談を思い出していました。ちゃんと返事のできる気持ちのいい2年生の男の子でした。出っ歯で強い下口唇癖があって、虫歯の乳歯がいっぱいあって、でも、虫歯が一本もない、歯並びのいいりっぱな青年に育つよう、いっしょにがんばろうね。って約束したことを。カリエスリスクを下げて、口腔周囲筋機能療法(MFT)をがんばって、取り外しのできる矯正装置をしっかり使ってもらおう。私たちはこの子が楽しく続けられるよう、雰囲気作りもがんばらなくちゃ。みんなでがんばって、素晴らしいゴールにたどり着く。それがホントの矯正治療。偉そうに言う私も、医局の2,3年目で一人前と思っていた時期がありました。アルバイトでも、ちゃんと治療しているつもりでいました。でも、そんなんじゃない。プロの矯正治療は、患者さんと協力しながら、原因となっている習癖を取り除き、虫歯や歯周病のコントロールをし、80歳、90歳まで大丈夫な口腔を作り上げていく、それが、プロの矯正だって。くしくも、その子のお母さんもお姉さんも、矯正治療を途中で断念したとのこと。それは本物の矯正じゃない。矯正ってそんなもの。って思わないで、最後の素晴らしいゴールまで、いっしょに楽しくがんばろう。その実現のために、私とスタッフ達は、3つ星シェフと同じように、プロとして最大の努力を重ねていくことを惜しまない。ちょっとかっこつけすぎ!?!?だって、テレビがそんな風だったんだもの!!

  • 歯科衛生士学校で講演してきました

    歯科衛生士学校で、”歯科衛生士をあなたの天職に”というタイトルで講演してきました。私は、天職というのを、自分の仕事を通して、他人さまの幸せに貢献できる幸せを感じることができる職業だと思っています。私は矯正歯科医を天職だと思えていることがとても幸せです。どの業界でも、自分の仕事を天職と思ってされている人とそうでない人がおられると思います。自分の作った食事を食べて幸せを感じて欲しいと願って心を込めて作ってくださるシェフのレストランにめぐり合えば、私たちもシェフも幸せな気分に浸れますよね。吉兆の偽装なんてありえない。歯科の業界でも、マーケティングだのマネージメントだの、本来は患者さんに快適に診療を受けてもらうためのノウハウであるはずのものが、ビジネスとして、派手なHPやうわべだけが先走っているような例をよく見かけるようになりました。学会などの資格も、難しい問題があって限界があったり、正しい情報と怪しい情報が交錯したりして、ホント、患者さんは何を信じていいのかわかりにくいのだと思いますが、エネルギーを取り込むためのお口、笑顔でコミュニケーションするためのお口、大切なお口の健康のために、よーーく考えて、よーーく調べて、積極的に矯正治療を受けていただけたらいいなぁ。。。って思っています。

  • 今日も重ーーいお話

    この間からちょっと重い話ばかりですが、専門医制度準備委員会の委員をしていた2001年にアンケート調査をしたことを思い出しました。その頃は、認定医の存在を知らない人が多くて、うちに他院での治療中や治療後に相談に来られる患者さんの多くは、矯正治療はどこで受けてもいっしょ。と思っておられる患者さんが多かったように思います。ちょうど、当院のHPを立ち上げた頃で、標榜だけではだめだよ。って、HPにも掲載しています。しかし、7年たった今、インターネットの普及も手伝って、認定医や指導医、そして専門医などの資格を調べたり、治療についてもいろいろと調べて、知識がずいぶん豊富になっておられるようになったと思います。そして、今度心配になってきたのが、きらびやかなHPの存在です。いろいろな資格をかかげ、入会学会などのリストをあげ、夢のような治療を受けられるような感じのするHPを見て、患者さんは選ばれるのですが、現実とのギャップの大きさにがっかりして、残念な結果になっておられる患者さんがおられるようです。きっと、矯正治療だけでなく、インプラントや美容外科など、自費で行われている医療については、この傾向がどこにでも出てきているのではないかと思われます。認定委員をしていますので、学会規定の諸事情もわかるのですが、認定医の資格がなくても、患者サイドにたった素晴らしい矯正治療を行われている先生も存じ上げています。今こそ、しっかりした目で、診療所を選ぶ必要があるなぁ。。と感じています。

  • 専門医資格証が届きました

    先日、やっと専門医資格証が届きました。これで、晴れて、日本矯正歯科学会認定専門医を名乗れるようになりました。2002年にはMorthという英国エジンバラ大学の専門医資格も取っていました。これまでの指導医資格とは違って、これらは、より臨床能力を評価できる試験です。指導医はどちらかというと、大学の医局に長く在籍して、若手を長く指導してきた先生なら取れるような資格でしたが、今回の専門医試験は、さまざまな条件に合う10症例を提出して、評価を受けるので、実際にどのような診療成績を残しているのかが問われます。私が2000年に、専門医制度検討委員会の委員をしていた頃から、7年目にしてやっと実現しました。これだけ時間がかかったのには、いろいろと難しい背景があります。現在も存在します。さまざまな学会がそれぞれに専門医だの認証医だのと作っていますので、一般の方からすれば、ややこしいと思います。また、医療倫理の観点からも、しっかりとした医師選びが肝心だと思います。矯正は費用のこともありますが、幼い子どもや若い方々のメンタル面にも大きな差ができると思います。矯正治療は、装置をつけさえすれば、治るものではありません。ドクターの目指す治療ゴールにもばらつきが大きいのが現状です。健康な体と心に大きく貢献することのできる矯正治療が、もっと安心して受けられる社会に早くなってほしいと願うばかりです。

  • 舌癖

    最近、舌癖の質問をよく受けます。以前からとても大切だと思っていましたので、一般のみなさんに知られるようになってきたことは、とてもうれしいことです。歯並びを悪くする原因のほとんどが、舌癖や口唇癖、口呼吸や姿勢に関与しているというのが、半世紀以上、一生懸命、矯正治療に携わってきた私の意見です。いくら装置による治療をしても、原因となっている舌癖や口唇癖を、そのままにしておいては、後戻りをしてあたりまえです。まだ、口腔周囲筋機能療法の効果について、疑問視する意見もありますが、イノウエ矯正歯科では、子どもたちも大人の方も、一生懸命練習に励んでくださっていて、どんどん治療成果が出ていることをうれしく思っています。幼い時の小さな癖に気をつけることは不正咬合の予防に繋がりますので、チェックしてもらいたいと思います。

  • 合格通知が届きました

     日本矯正歯科学会専門医制度試験が、今年の春に初めて実施され、長い間の審査期間を経て、今日、私の元に合格通知が届きました。バンザーーイ!
     実は、4年ほど前は、専門医制度検討委員会の委員をしていました。制度を開始するにあたっては、いろいろと難しい背景もあったのですが、まずは、専門医の試験制度がスタートしたことをとてもうれしく思っています。試験はカテゴリー別(症例の分類)に、種々の条件がつけられていて、その条件にあてはまる10症例を審査する。という内容でした。審査の準備はかなりたいへんで、4月5月は、ほとんど寝る時間がありませんでしたが、がんばってよかったです。今後、この制度がより良いものに発展して、すべての患者さんが安心して矯正治療を受けていただける環境ができあがることを願っています。