以前にもブログで取り上げましたが、イノウエ矯正歯科には、20代に、いわゆる審美補綴(前歯を削って、かぶせ物で歯並びを良く見せる手法)をして、それに満足できなくて、30代、40代で、矯正治療でやり直すケースが少なからずあります。
20代の女性にとって、”矯正装置なしに、短期間にきれいな歯になれる。”という手法は、魅力的であるのはわかります。
しかし、虫歯や変色している歯をきれいにするのなら問題はないのですが、出っ歯やねじれている歯を、満足できる完璧なきれいな歯並びに治すことは、審美補綴では、ほぼ不可能といっていいでしょう。
将来、また、やり直すぐらいなら、削る前に、矯正治療で本物の歯並びを手に入れてほしいと思います。
目先のことだけでなく、大きな視野で判断してくださいね。
削った歯は元にはもどりません。人工の歯に優る天然歯はありません。
よーーく考えて、判断されることを、応援しています
タグ: 歯
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前歯の審美補綴の後に、矯正治療というのはとても残念!
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ゆびしゃぶりとおしゃぶり
昨日の初診患者さんは、出っ歯のお兄ちゃんと妹ちゃんのその下の弟くんでした
。3人揃って、とてもりっぱな出っ歯さんなのです
。
「なんでかなぁ???」と不思議そうなお母さん殮。
遺伝的なものも少しあるようなのですが、お兄ちゃんはおしゃぶり、妹さんは指しゃぶり、弟さんはおしゃぶりだったとのことで、その後、舌と口唇の癖が続いた結果なのだと思われました。
「知らんかったぁ。。。」と残念そうなお母さん殮。
ホント残念ですよね。”愛と英知の子育て”という服部祥子先生の言葉をよく引用させていただきますが、子育てには、愛だけでなく、英知も必要ですよね。
歯育て支援Q&Aは、主に、歯科衛生士さんや看護士さんをターゲットに書きましたが、お母さん方にも読んでいただけると思います。予防できる不正咬合についても書いていますので、是非チェックしてみてください。
最近は歯科関係の本もネットで簡単に購入できますよね。よかったら、参考にしてみてください。HPでも紹介しています。
たまたま本のPRが続いてしまいました。
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”試してがってん”で、虫歯の話
今晩のNHKの”試してがってん”で虫歯の話が取り上げられていました
。
酸が歯を溶かすこと、唾液が再石灰化をすること、だらだら食べが最も悪いこと、などなど、これって、2000年に私が出版した絵本”どうしてむしばになるの”に全部書いてあることなんです。
ようやく、NHKでも取り上げてもらえるようになって感動しました。
私の絵本の原動力となった熊谷先生もテレビに出ておられましたが、熊谷先生はもっと以前から、早期発見、早期治療を否定し、観察、そして予防を唱えておられたのです。
人間の自己修復能力ってすごいなぁ。。っていつも思います。そして、私たちは、自己修復能力が発揮できるような環境を、自分の体に作ってあげればいいのです。
よかったら、絵本をのぞいてみてくださいね。
その一部はHPの”予防が一番”のところにもありますよ。
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技工士さんのお仕事
イノウエ矯正歯科スタッフのブログで、今、矯正装置がどのようにして作られているのかが連載されていますね。すばらしい
って感動しています
。
技工士さんは、歯科医師や衛生士と違って、患者の皆さんと直接会うことはないのですが、縁の下の力持ちとして、いつもがんばってくれているのです。
ひとりひとりの模型で、ひとつひとつ手作りで、それはそれはたいへんな手作業なのですが、その苦労は、あまり皆さんの目に触れることがありません
。
そうそう、毎年、校外学習にやってくる学生さんが、自分の装置を作ってみて、そのたいへんさに驚いて帰ってくださるぐらいかな怜
患者のみなさん。装置は大切に使ってくださいね。
最近は、わんちゃん聾に装置を壊されるケースが増えてきています寧。”聾ちゃんの手の届かないところ”に保管してくださいね!
皆さんの知らないところで、皆さんの大切な装置を一生懸命作ってくれている技工士さんがいることを、ときどき思い出してあげてください。
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治療レベルを落とさず、早く終了する!
8月16日に、治療期間のお話をして、続きはまた、と終わりながら、ずいぶん日にちが経過してしまいました
。
治療を早く終わる方法に、ゴールのレベルを落とすというのがあるかもしれません
要するに、いい加減な成績でよければ、ざっと排列が終わり、素人さんの目から見て、並んだように見えた時点ではずせば、早く終われるのかもしれません。
でも、それでは、生涯安定した歯並びを保証することはできません。
私は、昨年まで日本矯正学会の認定審査委員をさせていただいてましたが、審査の一つとして、歯型とレントゲンから歯の排列状況をチェックするというのがあります。
歯のラインが揃っているかどうか?、
外側から見ても内側から見てもしっかり咬んでいるか?
奥歯の前後関係は正しいか?
力犬歯の関係は正しいか?
曆前歯の重なり具合は正しいか?
(上下の前歯の間に隙間が残っていると、
年齢を重ねるにつれさらに隙間は拡がってきてしまいます。)
歷上の歯列の中央と下の中央が合っているか?
轢レントゲンで、歯根が平行に並んでいるか?
(安定にも歯周病の抵抗性にも影響が出ます。)
などの審査項目があります。
すべてに満点を取るのは、カンナリ難しいのです
前にも、「芸能人ではないので、そこそこでいいんです。」とおっしゃる患者さんがおられるとお話しましたが、フツーの人こそ、生涯にわたる健康のためのきちんとした歯並びが大切です
治療のレベルを落とさず、できるだけ早く治療を終了する
私たち日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)の使命だと思っています。がんばるぞぉ
そうそう、それには患者さんの力も欠かせないのです。だから、いっしょに、がんばろうおー
。 また、体育会系。。。
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お母さんからのお葉書
先日、患者さんのTちゃんが、矯正治療を終了後、2年間の安定の確認も終えて、イノウエ矯正歯科を卒業されました
。
Tちゃんは、奥歯しか噛んでいない歯並びで、八重歯もありました。矯正をする前から、初期の虫歯がいっぱいで、たいへんな状態でした
。
でも、Tちゃんのがんばりで、きれいな歯並びと健康な歯を獲得できたのです。
お母さんからお葉書をいただきました。
”てんぷらを食べたら、すぐに下痢をしていた娘が、丈夫になりました。歯並びもきれいになり、喜んでおります。”
とありました。
へーー。。そーーだったんだぁ。。しっかり噛めなかったから、おなかもこわしやすかったんだね。Tちゃん、おめでとう!よかったね。
これからも健康な歯と素敵な笑顔で楽しい毎日を送ってくださいね。
とてもうれしいお葉書のご紹介でした。私の宝物になりました。
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歯並びの悪い人が中高年になると。。。
HPの新しい項目”矯正治療とは?パート2”にも掲載していますが、歯並びが悪いと、若い間はなんとか持ちこたえられても、中年を過ぎた頃から、弊害が大きく出てきます
。といつもお話しています。
昨日の初診相談におみえになった中学一年生のRちゃんのお母様が、私が常日頃お話していることを、裏付けてくださるようなお話をしてくださいました。
「父親やおばが同じような歯並びなんです。50歳を超えて、急にいろいろと問題が出てきて、たいへんそうです。この子も、少しずつ出っ歯がひどくなってきている気がします。」
舌や口唇の癖が原因となっている出っ歯なので、昨日より今日、去年より今年とだんだん悪くなって、その悪化の速度は歯周病が始まりだすと、加速度がついてきてしまうのです。
舌癖や口唇癖を治しながら矯正治療をして、生涯にわたるお口の健康を獲得するために、Rちゃんもがんばってくれることになりました。
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治療期間はどれくらい?
治療期間(複雑な矯正装置がついている期間)はどれくらいですか令とよく質問されます。一言では答えられないのですが、平均的に、非抜歯で約1年、抜歯で約2年と答えることができると思います
。
でも、いろいろオプションがついた場合、たとえば、上の奥歯を先に後ろへ移動しておかないといけない。とか、奥歯の上下のすれ違い咬合を治しておかないといけないとか。そうすると、3ヶ月ないし6ヶ月延長します。
デーモンなどのフリクションフリーのブラケットが出てますので、7割から8割、従来のものよりも期間短縮できますが、最も効果的に抜歯後のスペースに犬歯を移動できるのは、セクショナルワイヤーと言って、ダイレクトに犬歯だけを牽引する方法です。
長くなりそうなので、続きはまた明日。
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抜歯して治療してよかったのでしょうか?
昨日、アメリカで娘さんの矯正治療を済ませた後のフォローをしてほしいというお電話がありました。
その時に、お母さんからこんな質問を受けました。
「アメリカだったので、なんのためらいもなく、抜歯して治療を受けたのですが、抜歯してもよかったのでしょうか?井上先生は歯を抜いて治療を受けたとHPで読みましたが、今も大丈夫ですか?」
私はお答えしました。
「抜歯してきちんとした治療を受けることができれば、何の問題もありません。もちろん、抜かない治療を第一に考えますし、強く非抜歯をご希望される場合はできるだけご希望に添うようにしますが、むしろ抜歯した方が良い治療成績が得られると判断した時は、抜歯をお勧めしています。自分の娘も抜歯して治療しました。」
ネット上では、抜歯がよくない。という情報もあったりしますが、11歳で抜歯して治療を受けた私は、その後約40年、15歳で治療した娘は、その後約6年、笑顔自慢(というか、笑ってブチャイクさをごまかしてる?)の母娘は、かたーーいフランスパンを喜んでかじってます
。
でも、実際に、他の医院で歯を抜いて治療を受けた人が、上の前歯の角度のコントロールが不十分だったり、奥歯と前歯しか当たらないようなかみ合わせだったりして、顎が痛くなって来院され、再治療をさせていただいたこともあります。
大切なのは、抜く抜かない。ではなくて、ドクターの診断力と技術力なのです。
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子供の矯正治療の続き
お久しぶりです。パソコンの調子が悪く
、ちょっとご無沙汰でした。
娘にママのブログは読みにくいと言われた殮ので、もう少し読みやすく、短くしますね。
一つ前のブログの子供の矯正治療の続きです。
以前、二人のお嬢さんのお父様から、
「この子たちは、出っぱが治ったということだけでなく、
”がんばれば、成功する。努力すれば、願いはかなえられる。”ということを、矯正治療を通じて学ぶことができました。」
って、言っていただいたことがあります。
とてもうれしいお言葉でした。子供の矯正治療は常にこうありたい。と思っています。
矯正治療という体験が、単なる歯並びの治療だけでなく、子供たちの成功体験となって、将来、こぼれるような笑顔で思い切り活躍してくれますように
という願いを込めて毎日の診療にあたりたいと思っています。