11月 12th, 2018
遅くなりましたが、11月1日第77回日本矯正歯科学会学術大会(横浜)のスタッフ&ドクターセミナーで、座長&講師をさせていただきました。
タイトルは”女性の歯科専門職が目指すもの”
矯正歯科に勤務する女性矯正歯科医、歯科衛生士が、一層輝いて、皆さんの健康と笑顔に貢献できるように!というのが趣旨です。
熊谷ふじ子先生からは、「100歳まで生き抜ける子どもたちを育てる」歯科医療のお話をいただいた後、なんと、世界中のアンケート結果から、「母親が働くことは、子どもの成長になんら悪影響を与えていない。むしろプラスであった。」というアメリカの大学の研究結果をご紹介いただきました
子どもを預けて働くことに、なんとなく申し訳なさを感じていたお母さん方には、なんとうれしいお話でしょう
衛生士の橋本律子先生は、「子どもの生活背景まで見据えてた関わり方をしていくことの大切さ」を、ご自身の体験を通して、心の奥底まで届くようにお話しくださいました
そして私は、「女性歯科医、衛生士が矯正治療に携われることの素晴らしさと、プロフェッショナルとして人々の健康を預かる責任の重さとやりがい」について、お話させていただきました
長ーーくお付き合いすることになる矯正治療は、忍耐強く寄り添える女性が得意
営利目的の巨大な矯正歯科ビジネス産業が急速に広まりつつあるこのご時世みんなで心の通った質の高い矯正治療を展開していきましょう!としめくくらせていただきました
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10月 22nd, 2018
今、子どもの矯正治療がとても普及してきているようです
うれしいことなのですが、心配な面もあります
いつも言っているように、子どもの矯正治療には確立された治療法が提示されていないからです。
インフルエンザなら、専用の検査キットがあって、その結果により投薬するお薬が決まっています。
どこのお医者さんでも、それほど大きな差なく治療をしてもらえます。
矯正治療はそうではないのです。
命に関わらない分野なので、矯正治療を受ける側も提供する側も安易に考えがちですが、小さい頃の矯正治療は、お子さんのお口の健康だけでなく、全身の健康、そして、精神面での健康にも大きな影響を与えます。
*開始前にきちんとした検査が行われているか?(治療法は顎の形の特徴や大きさ、歯の形、大きさ、生え方などによって、変わってきます。)
*治療のゴールはどこなのか?(これでもう大丈夫と断言できるのは、高校卒業の頃でしょう。)
*どこまで対応してもらえるのか?(将来、外科的矯正治療といって、手術を併用しなければならなくなる場合もあります。)
*成長発育の途中で起こりうるリスクをすべて想定できているか?
などなど、初診相談、その後の検査、診断時の説明で、きちんと確認してから治療を開始してもらいましょう。
「あまりわからないまま、安易に始めてしまって、、」と、中学生や高校生になって、意見を求めて相談に来られる方が増えてきているように感じますので、注意していただきたいと思っています
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5月 29th, 2018
保育園の園長さんの息子さんが、当院に来てくださっています。
先日、ある会合でご一緒したときに、
「○○君もしっかりしてきましたね。初めは、歯磨きも悪かったり、装置もちゃんと使えるかどうか心配だったけど、今では歯並びも良くなって、歯磨きもきちんとできるようになって、、、」
って、息子さんの様子をお話ししましたら、
「イノウエ矯正歯科さんでは、”子育て”もしてもらえるので、ありがたい」
と言ってくださいました
なんとうれしい、ありがたい言葉でしょう
何気ないお返事だったのかもしれませんが、私にとっては”宝物のような一言だ”と感じました
スタッフにも早速伝えました。
これからも、がんばっていきますね
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5月 20th, 2018
イノウエ矯正歯科には、衛生士学校の学生さんが実習生として勉強に来ています。彼女たちのレポートを読んでいて、改めて感じたことをお話しします。
矯正治療を始めようとする患者さんのほとんどは、「見た目を良くしたい」と希望されて開始されるのだと思います。きっとそれは、間違いないと思います。
動機は、それでいいのだと思います。
でも、「その希望を満足するためだけが矯正治療ではないと思ってほしい!思わなければならない!」ということをお伝えせねば!と、改めて感じました。
見た目を良くするだけでなく、矯正治療の最大の任務は、治療後の正しい歯並び・かみ合わせが、”患者さんが60歳になっても80歳になっても、楽しく美味しくしっかりと食事ができて、その方の健康寿命に貢献すること”が、最大の任務だと私は考えています
健康を支えられる正しい歯並びかみ合わせは、おのずと美しいものです
しかし、見た目だけきれいに並んでいる歯並び、見た目ファーストでは、その後の健康に寄与できない場合があるのです
前歯が一見きれいに並んでいるだけで、しっかり噛みあっていない。あるいは、すぐに後戻りしてしまう。という歯並びは、本物の矯正治療とは言えません。
本物の成功を得るには、矯正歯科医の豊富な知識と経験から得られる判断力と技術、それから患者さんご自身の前向きな姿勢が必要なのです。
安易な矯正治療が広まっているようです
患者さんご自身も、今一度、自分の目指す矯正治療のゴールを再確認して、矯正治療を開始していただきたいと思います
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3月 22nd, 2018
イノウエ矯正歯科では、治療終了後、すべての患者さんに治療前の写真と治療後の写真をお渡ししています。
その写真を見た患者さんたちは、苦労した甲斐があったと喜びをかみしめてくださっているようです
当院に来てくださっているパートさんが、お渡しする写真をプリントアウトしてくれているのですが、彼女も矯正治療の開始を決意されました。
「多くの治療前と治療後の写真を見ていると、自分もやりたくなった」と言っておられました。
厚生労働省のHPのガイドラインで、治療前後の写真を掲載することが禁じられましたので、当院のHPからも消去しましたが、残念なことだと思っています
「そのような写真を掲載すると、みんな同じように成功すると思われるから」というのが理由らしいのですが、痩身の宣伝と同じにされてしまったことが本当に残念です
矯正治療は、スタートはそれぞれ異なりますが、目指す正常咬合はほとんど同じです。
骨格や歯の特徴などで少しの差はありますが、歯の並び方、上下のかみ合わせ、歯の根の角度など一定の基準があって、私たちはそれらを目標に仕上げていきます
目指すゴールに持っていくために、どういう方針を立てればいいのかを、考え抜いてから治療に入ります。
なので、矯正治療は診断と治療方針の決定が成功の8割を担っていると言われているのです
最近、並べるたけの矯正治療、装置を入れるだけの矯正治療など、心配な治療が広まっているようです。
先日会った香港の友人も、元の状態よりも難しくなって、日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)のところへやってくる患者さんが増えてきたと嘆いていました
制度で医療をコントロールすることはとても難しいことだと思います。
患者さんご自身が、しっかりアンテナを張って、より良い医療を受ける姿勢を大切にしていただきたいと思います
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3月 18th, 2018
先日、40代の仲良し姉妹が初診相談に来てくださいました。
3人とも受け口で、以前から矯正治療がしたかったけれども、なかなかチャンスがなかったとのこと。
3人ともそれぞれ結婚されて、姓が違うのですが、近くにお住まいで仲良く情報交換されているようです。
子育ても一段落したので、と矯正治療を真剣に考えるようになったとのことでした。
そのうちのお二人は、早速、治療開始を決心され、外科的矯正治療を受けられることになりました。
私が以前よりお話ししている”第二の適齢期”ですね。
治療中はちょっとたいへんかもしれませんが、正しく美しい歯並びになって、華麗なる老後を過ごしてくださることでしょう。
子育て真っ最中の頃は、なかなか自分のことなどかまっていられないのはみんな同じなのですが、40代になったら、自分のために、いつまでも健康で若々しく、残りの人生を楽しく送るために、矯正治療を是非ご検討いただけたらと思います。
(私も小学生のとき一度矯正治療をしましたが、43歳のとき二度目の矯正治療をしました!)
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12月 17th, 2017
ちょっとくたびれモードだった私に、涙が出そうなくらいうれしいクリスマスカードが届きました
日本人と結婚されている今は関東にお住いのアメリカ人女性からです。
お二人のお嬢さんは当院の患者さんで、お父さんとはテニス仲間でした。
訳してみると
***
やすこと素晴らしいなMapleクリニックのスタッフのみなさんへ
関西から引っ越してきて10年以上になるけれども、私たちは未だに、Mapleクリニックのことを話題にしますし、みなさんのおかげで、2人の娘たちは未だに美しい笑顔をキープしています。
健康で幸せな2018年でありますように!
***
昨日の診療もとても忙しく、お疲れモードだった私は、おおいに癒され、励まされました。Mさん!ありがとう
月曜日、スタッフにも見せたら、みんな喜ぶだろうな
自分の夢の実現のために飛び立っていった織田と石川(まさよ)と妊娠で安静を余儀なくされた土田が、ほとんど時期を同じくして退職したため、今、ちょっとたいへんな時期なのですが、新人2人といっしょにがんばって乗り越えていきます!
スタッフのみんな!毎日よくがんばってくれてありがとう!
楽しく快適にお仕事ができる環境に早く戻れるよう、私もがんばらなくちゃ!
患者さん方のためにも、スタッフのためにも、くたびれている場合じゃない
どなたか、私たちといっしょにがんばってくださる衛生士さんおられませんか?ご連絡、お待ちしております
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9月 28th, 2017
久しぶりのブログです。
ご報告が大変遅れましたが、今年2月にカリフォルニアで開かれたmeetingで研究成果を発表した結果、すべての課せられた条件をクリアして、晴れてAngle Societyの正式メンバーになれました
説明すると長くなるのですが、主にアメリカの大学教授と開業医が集まって矯正学の研鑽を積む会です。7つのコンポーネントがあり、海外のメンバーも少しずつ参加しています。
正式メンバーとして認められるまでの道のりをご紹介すると、1年目:Angle midwestというコンポーネントの会にゲストとして参加。2年目:これまでに治療した6症例を提示して参加資格の審査をうけて合格。3年目:持参した治療開始前の10症例の中から試験官が6症例を選択。4年目:治療の途中経過を報告。5年目:2年間で終了した6症例の審査を受けて合格。その間、研究をひたひたと続け、6年目:全メンバーの前で研究発表をして審査に合格。晴れて正式メンバーとして迎えられることが決定。
6年がかりの大仕事でした。それでも最短で、もっと年数のかかる方や途中であきらめる方もおられます。
毎年、1月末か2月初めの1週間ほど、このmeetingのために診療をお休みして申し訳ありませんが、このAngle midwestというコンポーネントは、Angle Societyの中でも最も真面目で厳しい会として認められており、有名な研究者や臨床家がおられる会なのです。
昔から留学したかった私でしたが、家族や開業のこともあって実現することができずにいました。しかし、海外の研究者や臨床家の中でいっしょに勉強したいという願いをあきらめきれず、プチ留学に挑戦したイメージでした。
時差と英語の嵐に毎年泣きそうになるのですが、大学研究者も開業医もいっしょになって研鑽を積むという会は日本にはなく、アメリカの開放的な環境で、大学教授から研究指導を受け、臨床家の先輩から症例審査を受ける貴重な機会を得られたことは、私の一生の中で、one of the most memorable experiencesでした。夢はちょっと小さくはなりましたが、かなえられました
今後も毎年メンバーとして参加し、研究発表や症例報告を続ける義務があります。
大変ですが、これからもがんばっていきたいと思っています。患者の皆さまには、毎年この時期、長期休診でご迷惑をおかけしますが、ご理解と、もしよろしければ応援を宜しくお願い致します
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4月 19th, 2017
この度、「歯並びの良い子に育てよう」というタイトルの本を上梓しました。
絵本「どうしてむしばになるの」、「歯育て支援Q&A」、「子どもの不正咬合」に続いて、4冊目です。
むし歯や歯周病の予防は進んでいるのに、不正咬合の予防の概念はまだまだ!
遺伝が原因の不正咬合はどうしようもないのだけれど、予防できる不正咬合もあるのです!
外科的矯正治療などということにならないようにできるかもしれないのです。
お母さん方はちょっと気をつけてあげるだけで、その子の歯並びの将来が変わる。
何に気を付けていればいいのか
そんな知識をいっぱい詰め込んだつもりです。
是非、お読みいただけると幸いです
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4月 18th, 2017
4月13日(木)に、東京の有楽町朝日ホールで開催された東京矯正歯科学会春季セミナーで講演しました
テーマは、”矯正歯科医療における口腔衛生管理”
「イノウエ矯正歯科の衛生士を是非!」と依頼があり、住友を推薦したのです。
なんと、他のお二人は大学のお偉い教授の先生でした!びっくり
昨年は、私が、子どもの矯正治療について講演依頼を受けたのに続き、今年は口腔衛生管理をテーマに依頼され、2年続けての依頼に、イノウエ矯正歯科のいろいろな取り組みが東京の先生方に評価されてきているのだとうれしく思いました。
住友は私が開業して間もない頃、患者として通院し、その後、歯科衛生士となってずっとイノウエ矯正歯科で勤めてくれています。今回の講演では、自分が患者となる前、その後、患者として、衛生士として、そしてイノウエ矯正歯科で矯正治療を受ける子どもを持つ母親としての4つの観点から、イノウエ矯正歯科と関わってきた約30年の想いと伴に、イノウエ矯正歯科の取り組みの素晴らしさを説明してくれて、あらためて、「私たちがずっと頑張ってきたことを誇りに思っていいんだな。」って、感動して聞いてきました。
「矯正装置がつけば、むし歯になりやすくなるのは当たり前。だから歯磨きしてもらわなければ、」のではなく、「歯並びがきれいになる間、定期的通院していただく間に、歯の管理の仕方も身に付けて、自分の歯を愛し大切にできる人に育ってもらいたい!」
それが、イノウエ矯正歯科の理念です
幼いころから大きくなるまで長い治療期間が必要だったT.S.君も、高校生になってようやく磨いてくれるようになってきました。途中はなかなか難しかったけれども、やっと自分の歯を愛せる青年に成長してくれて、うれしく思っています
これからも、歯科衛生士のみんなといっしょにがんばっていきたいと思っています
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