カテゴリー: 矯正治療・不正咬合について

  • 銀行員の方が気付かせてくださったこと

    先日、銀行員の方をコンサルテーションのお部屋にお通しした時のことです。

    そこには午後の診断準備がされていて、パソコンの画面に頭部の正面と側面のレントゲン写真などが映されていました。

    それを見た銀行員の方が、「矯正治療って、頭のレントゲンも見るのですねぇ。。。」って驚かれた様子sign02.gif

    「そーなんだ。私達は毎日見ていて当たり前すぎるものも、一般の方には驚きなんだな。」って、気づきました。

    「矯正治療は、歯だけ診ているのではありません。顔の特徴、顎の形、大きさ、位置、上下のバランスすべてから、治療方針を決定していくんですよ。」

    とお話すると、

    「へぇーーー!』

    とまたまた驚きのご様子!

    最近、安易な矯正治療が流行っていると聞きます。

    「歯が並ぶスペースがないから、拡げましょう。受け口だから、この装置を入れてみましょう。」

    という歯だけを見て開始する安易な矯正治療はたいへん危険なのです。

    様々な要素を把握し検討したうえで拡大するのと、ただ、拡大することしか考えていないのでは、同じ拡大でも大きな違いがあります。

    安易に拡大することによって、状態を悪化させてしまうタイプもあるのですshock.gif

    受け口にもいろいろなタイプがあります。隣のお子さんが簡単な装置で受け口が治ったからといって、ご自分のお子さんも治るという単純なものではありません。

    子どもの矯正治療は、今後の成長発育や歯の萌出状況を、骨格や歯の特徴、問題点から予測し、それに対するベストの対応策を考えるというきちんとした診断と治療方針の決定が必要です。

    そして、その子が高校を卒業する頃に、どういう状況になっているか、難しくなった場合には、どう対応するのかまでを見通して治療を開始します。

    「小さい時に矯正治療をしたんですけど、、と言って、中学生、高校生になったお子さんを、お母さんが当院にお連れになることはしばしばですので、最小限のお子さんの負担で、最大の効果が得られるようにしてあげたいものですね。」とお話させていただきました。

     

  • 子どもの矯正治療

    今、子どもの矯正治療がとても普及してきているようですhappy01.gif

    うれしいことなのですが、心配な面もありますgawk.gif

    いつも言っているように、子どもの矯正治療には確立された治療法が提示されていないからです。

    インフルエンザなら、専用の検査キットがあって、その結果により投薬するお薬が決まっています。

    どこのお医者さんでも、それほど大きな差なく治療をしてもらえます。

    矯正治療はそうではないのです。

    命に関わらない分野なので、矯正治療を受ける側も提供する側も安易に考えがちですが、小さい頃の矯正治療は、お子さんのお口の健康だけでなく、全身の健康、そして、精神面での健康にも大きな影響を与えます。

    *開始前にきちんとした検査が行われているか?(治療法は顎の形の特徴や大きさ、歯の形、大きさ、生え方などによって、変わってきます。)

    *治療のゴールはどこなのか?(これでもう大丈夫と断言できるのは、高校卒業の頃でしょう。)

    *どこまで対応してもらえるのか?(将来、外科的矯正治療といって、手術を併用しなければならなくなる場合もあります。)

    *成長発育の途中で起こりうるリスクをすべて想定できているか?

    などなど、初診相談、その後の検査、診断時の説明で、きちんと確認してから治療を開始してもらいましょう。

    「あまりわからないまま、安易に始めてしまって、、」と、中学生や高校生になって、意見を求めて相談に来られる方が増えてきているように感じますので、注意していただきたいと思っていますnote.gif

     

     

  • 矯正治療をしない判断も正確に

    昨日、初診相談のNちゃんは、小学5年生。

    思春期成長期真っ只中の、伸び盛りのお嬢さんで、

    この夏休みに、かなり身長が伸びたとのこと。

    それに伴い、顔がゆがみ、かみ合わせも気になるようになり、

    あちこちを受診して、紹介されてイノウエ矯正歯科に辿り着かれました。

    以前、「一期治療はしないで、将来の外科的矯正治療待つように」

    と、数件で言われたという小学2年生の女の子の一期治療をお引き受けして、

    無事、手術を受けなくても良い状態にできたという経験はありましたが、

    Nちゃんは、小学5年生で、すでに、かなりの難しい状態になってしまっていて、

    矯正治療単独では難しい状況でした。

    近くの開業医さんに、小さい頃お連れになったときは、「もう少し待つように」 と言われたそうですが、

    これでいいのかな?と思ったら、是非、複数のドクターの意見を聞いていただきたいな。と思いました。

    矯正治療を開始するのも、しっかりした判断が必要ですが、しないで待つことにも、

    しっかりした判断が必要だ。ということを、つくづく感じました。

  • 呼吸・嚥下はすべて正しい姿勢から

    先日来より、スタッフも学会に参加しておりましたので、

    今日は、スタッフからの勉強報告会でしたscissors.gif

    その報告は、MFT(口腔筋機能療法)といっしょに、

    姿勢、呼吸、生活指導にとりくむことにより、

    口の正しい機能を獲得できる。

    体の健康は口の健康。という内容でした。

    私も先日、姿勢の重要性についての勉強をしてきましたので、

    スタッフ全員で姿勢の確認をしました。

    昔、娘がバレエを習っていた頃、私も少し習ったので、

    バレリーナの姿勢を再現してみました。

    最近の子どもたちは姿勢が悪くなっているようです。

    武道やお茶お華のときの日本人の凛々しい姿勢を思い出したいですねhappy01.gif

    良い姿勢が、子どもたちの口や体の健全な発育に必須なのですnote.gif

  • 矯正治療は、装置よりも診断力と技術力

    初診相談をしていると、矯正装置さえつければ、歯は、自動的に正しく並ぶと思っておられる患者さまがおられることに気付きますcoldsweats02.gif

    そう思っておられる歯医者さんさえ、おられるような気がしますsad.gif

    装置のメーカーというか、矯正材料を扱う会社では、装置を売って業績をあげたいと思うのが当然でしょう。

    なので、その装置でうまく治った症例を使って、使い方などを説明してくれる先生にお願いして、講習会を開きます。

    そうすると、講習会に参加した先生方は、その装置を使いさえすれば治るような錯覚を覚えるのではないでしょうか?

    偉そうに言う私だって、矯正を始めて2年か3年目の頃、なんでも治療できるような気分だったことを思い出します。

    このことは、40代、50代ぐらいの矯正の先生たちは、声をそろえて言います。

    簡単そうに見えて、実は難しい症例である。ということを、経験を積みながら勉強しながら、見極める力、対応する力をつけていくのです。

    業者さんが売り上げを伸ばしたいのも当然、その講習を受けた先生が、矯正治療を始めたいのも当然、なんら責められるべきことはないのでしょう。

    でも、矯正治療のように、専門性が高く、装置よりも、診断力、判断力、技術力によって大きく治療結果が左右される分野では、危険をはらんでしまいます。

    矯正歯科という標榜が、なんの資格試験もなく自由にあげられる現在、一般のみなさんが、賢く自分自身を守るしかないのだと思うのですheart04.gif

  • 小児矯正8(複雑な装置の二期治療は短く)

    14歳の時に、他の医院から、うちに変わりたいといっておみえになったM君がいます。

    8歳からずっマルチブラケットと呼ばれる複雑な装置を付けたままで、

    虫歯がいっぱい出来てきて。。。ということで、セカンドオピニオンを求めてこられましたweep.gif

    6年間もよくがんばったね。

    いったんはずして、その後は虫歯のリスクを下げることを重点にがんばってきて、

    なんとか卒業できそうですhappy01.gif

    イノウエ矯正歯科では、複雑な装置の期間を、極力短くできる様に作戦をたてています。

    私も装着していたことがあるので、わかるのですが、

    せいぜいがんばれて2年か2年半だと思います。

    この装置が入っているときに、受験やメンタル的にしんどいことが重なると、

    なかなかがんばりきれないのが、普通だと思います。

    だから、イノウエ矯正歯科では、複雑な装置の二期治療の期間をできるだけ短く出来るよう、

    一期治療を大切に考えて、高校1年生ぐらいで、一気に仕上げをする方法をとっています。

    ご本人と私が気合を入れあって、スタートするので、ほとんどの症例が1年ぐらいで、

    終了することができます。

    まるで、試合に臨む仲間どうしのように!

    (行くぞ!おおーー!!!って感じなんです!dash.gif

    完全仕上げを終えた歯並びは、どこへ出しても恥ずかしくないそれそればピッカピカの歯並びですheart04.gif

    だって、小さい頃から、がんばってきたんですもの。

    ”小さい頃からよくがんばったね。”っと、イノウエ矯正歯科を卒業するときは、

    まるで私はお母さんの気持ち、衛生士はきっとお姉さんの気持ちなんだと思います。

    かわいい子どもたち、爽やかな若者の笑顔が、私の毎日のエネルギーになっています。

    ありがとうネnote.gif

  • 小児矯正7(子どもたちが進んで通院)

    小児矯正(一期治療)で忘れていけないのは、

    子どもたちが、前向きな気持ちで、進んで矯正治療に通えるということだと私は思っています。

    確かに、矯正治療そのものはそう楽しいものではないと思うのですが、

    装置をがんばることによって、どんどん歯並びがきれいになるのを実感する喜びhappy01.gif

    それを周りのみんなから褒めてもらえる喜びhappy01.gif

    歯磨きはたいへんだけど、ちゃんとできていると、またまた褒めてもらえる喜びhappy01.gif

    詰め物がいっぱいの乳歯が抜けて、真っ白な永久歯列に変わっていく喜びhappy01.gif

    衛生士さんたちと、いろんなおしゃべりが楽しくできる喜びhappy01.gif

    そんなこんながあれば、きっと楽しく通えると思うのです。

    確かに子供さん自身のがんばる力も問われますが、

    子どもたちががんばりやすい、楽しんで前向きに取り組みやすい環境を作ってあげるのが、私たち矯正専門開業医にできること、と思っていますheart04.gif

    もし、どうしても行き詰ったら、親子関係が暗くなってまで続けるのは、私は違うと思うので、子ども自身が納得できる年齢まで待って、ちょっとたいへんな矯正治療にはなるけれど、複雑な装置を使って治す選択肢を選んでいただくのも良いと考えていますnote.gif

    今日もみんなでいっしょに楽しくがんばろうねheart04.gif

  • 小児矯正6(装置の期間)

    昨日は、一期治療の期間について、考え方にばらつきがあることをご説明し、イノウエ矯正歯科は一期治療の期間を長く捉えているとお話しました。

    そう聞くと、ずいぶん長く装置がついているようなイメージを受けてしまうかと思いますが、そうではなくて、装置を付けて、がんばる期間をできるだけ短くできるよう作戦をたてています。

    子どもたちは、装置をつけている期間が長くなると疲れてしまって、矯正が嫌いになってしまいます。

    できるだけ短期間に、結果を出してあげることが必要だと思っています。

    そして、その後は、生え変わりを観察したり、新しい永久歯の虫歯予防をしていくのです。

    夜だけの装置が残る場合もありますが、それぐらいなら、子どもたちも平気です。

    きれいになった自分の歯を大切に守り気持ちも芽生えて、歯磨きもちゃんとしてくれますhappy01.gif

    ときどき、「小さい頃に矯正治療を受けたのですが。。。」といって、おみえになる成人の患者さんがおられます。

    お気の毒な気がしますthink.gif

    小児矯正も、半年か1年あれば、結果が見えてくるものです。

    もし、あんまり改善が見られないようなら、セカンドオピニオンをお勧めします。

    子どもたちががんばっているのに、成果が得られないのでは、かわいそうです。

    一口に出っ歯、受け口、ガタガタと言っても、いろいろな状態があり、

    それぞれの症例にあわせた装置の選択が必要です。

    特に、成長発育を利用する治療の場合、タイミングを逸してしまうと残念ですので、注意してあげてくださいheart04.gif

  • 小児矯正5(一期治療の期間)

    小児矯正は、一期治療と呼ばれることもあります。

    以前、この一期治療のしっかりしたガイドラインがあるわけではないということをお話しましたが、

    いつまでを一期治療と呼ぶか、その期間に関してもばらばらのようです。

    乳歯が、永久歯へ生え変わる際には、

    one.gif上下の前歯4本が生え揃うと、いったん落ち着きます。

    two.gifしばらくすると、側方歯と呼ばれる横の歯3本ずつが生え変わってきます。

    three.gifそして、12歳前後に、6歳臼歯の後ろに、7番が生えて永久歯列が完成します。

    (稀に、7番が先に萌出することもありますが。。。)

    こうして、3段階で、乳歯は永久歯列が完成していきますが、

    どこまでの管理を一期治療と呼ぶか、それが、ドクターによって異なるのです。

    側方歯が生え始めたら、もう2期治療の準備に入る先生もおられれば、

    私のように、7番まで含めて、一期治療としているドクターもいます。

    7番めが、問題ある状態で萌出することは、しばしばで、

    そのために、顎関節症などを引き起こす可能性も高いので、

    イノウエ矯正歯科では、その7番目の歯のコントロールも含めて、一期治療としています。

    ですから、費用体系も異なってきます。

    御相談の際には、その医院が、

    どこまでを一期治療としているのかを確認することも大切だと思いますnote.gif

  • 小児矯正3

    小児矯正は、一期治療、抑制矯正、咬合誘導などとも呼ばれています。

    小児矯正のメリットは主に、

    one.gif出っ歯や受け口などの症例において、骨の成長のコントロールが可能となること、

    two.gif悪い癖が原因になっている場合、その癖を排除して、悪化を防ぐことができること、

    three.gif歯の萌出の異常を発見して、早期に対応できること

    これら3つがあげられるかと思います。

    特に、1については、近年、アメリカの大学から、一期治療の有効性は認められないという報告が出て、賛否両論が出ていますが、私は、有効と考えています。

    ただ、エビデンスを出すために、大学での研究ように、一期治療をする子どもとしない子どもに分類して、その効果を検証するなどということは、私たち開業医にはできず、証明することができないので、歯がゆい思いをしています。

    イノウエ矯正歯科で、一期治療において、良い成績を出すことができている理由として3つあると考えています。

    one.gif子どもたちががんばってくれていること

    取り外しのできる装置を、びっくりするほどがんばってくれる子どもたちがいっぱいです!私の力じゃなくて、子どもたちの力がすごいんです!

    two.gif装置の効果をマイナスしてしまう舌や口唇の悪い癖を改善しようと努力していること

    スタッフの力がすごいんです!

    three.gif長年の多くの経験により、一期治療用の装置の選択が正しいと思われること

    ここでやっと、私の力!年の功!

    アメリカの大学のデータをひっくり返すデータを、日本やヨーロッパの国から出せるといいなぁ。。って思います。

    一期治療の効果が、よりインパクトのあるエビデンスとして認められるといいなぁ。。って思っていますnote.gif