日本臨床矯正歯科医会学術大会に参加してきました
矯正専門で開業する臨床医の集まりである日本臨床矯正歯科医会の埼玉大会に参加してきました。
コロナウィルスのために、海外からのスピーカーを欠く大会となりましたが、いろいろと学べました。
印象に残った講演は、昭和大学歯学部矯正学講座教授のお話
インビザラインを代表とするアライナー矯正を受けている患者さんが、治らないと言って大学病院を訪れる患者さんの症例を見せていただきました。
前からお話していますように、すべてを否定するつもりはありませんが、アライナー矯正には、未知の部分が多く、うまくいくケースもあるかもしれないけれども、うまく治らないリスクも多いだろうということを感じていましたが、その通りでした。
「講習会などでうまく行く症例ばかりを見せてもらった先生方が、矯正治療の難しさをわからないままに始めてしまって、どうしようもなくなってしまっている例が多く見られる」とのことでし、問題を生じてしまったご自身の症例も見せてくださって、「歯ぎしりや噛み締めのある人は、顎関節に問題を生じやすいと考えられる」とおっしゃっていました。
「矯正治療の難しさをもっと発信しなければならない」とも言っておられました。
患者さんも先生も泣くことになってしまい、業者だけが販売数を増やして喜ぶという事態を避けなければんなりません。
患者さんご自身も、賢く判断していただきたいと思います。
矯正治療は、ルックスをよくするだけの、見た目の並びをよくするだけのものではありません。
美しいだけでなく、機能的にしっかりかめて、100歳人生と言われているこの時代、100歳まで生き抜ける全身の健康をささえ続けられる正しい噛み合わせと歯並びにするのが、本物の矯正治療です。
改めて、”装置が見えないことよりも、少しでも成績良く終了できること”を、矯正歯科医と共に目指していただきたいと思いました