インビザラインあるいはマウスピース型矯正装置について
昨日、インビザラインというマウスピース型矯正装置による治療を多く手がけておられる矯正専門開業の先生の講演会に出席してきました。
マウスピース型矯正装置が出初めて20年ぐらいが経過しているのですが、最近日本でも爆発的に増えてきているそうです。
それも、ビジネス的観点から、ワイヤーによる矯正治療ができない一般歯科の先生方の間で広まっているそうです。
私も早くから海外の学会などで発表されているのを聞いていましたが、治療中に様々な局面で、対応に苦慮するのではないか、安定した結果を出せないのではないか、リスクをはらんでいるのではないか、ということが想像できるため、慎重に様子を見ているところでした。
昨日のお話では、私が危惧していた点はやはりすべて的中しており、それらに対応しながら治療を進められているということでした。
ということは、矯正治療の難しさをご存知ない先生がマウスピース矯正を手がけられると、問題が生じてしまう確率が非常に高いということになります。患者さんには気をつけていただきたいと思います。
ブラジルの友達によると、ブラジルでは患者さんを守るために、「日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)しか、インビザラインのようなマウスピース型による治療を行なってはいけない」という規則を作ったそうです。
イノウエ矯正歯科は、「より安全でより安心な矯正治療を!見えないことよりも、ゴールの高さを大切にしよう!」というスタンスなので、マウスピース矯正はまだ行なっていません。
しかし、時代のニーズに応えられるよう、安易な矯正治療が氾濫して、先生も患者さんも泣いているという状況を防ぐためにも、そろそろ考え方を変えて行かなければならないかも?と思い始めています。