銀行員の方が気付かせてくださったこと
先日、銀行員の方をコンサルテーションのお部屋にお通しした時のことです。
そこには午後の診断準備がされていて、パソコンの画面に頭部の正面と側面のレントゲン写真などが映されていました。
それを見た銀行員の方が、「矯正治療って、頭のレントゲンも見るのですねぇ。。。」って驚かれた様子
「そーなんだ。私達は毎日見ていて当たり前すぎるものも、一般の方には驚きなんだな。」って、気づきました。
「矯正治療は、歯だけ診ているのではありません。顔の特徴、顎の形、大きさ、位置、上下のバランスすべてから、治療方針を決定していくんですよ。」
とお話すると、
「へぇーーー!』
とまたまた驚きのご様子!
最近、安易な矯正治療が流行っていると聞きます。
「歯が並ぶスペースがないから、拡げましょう。受け口だから、この装置を入れてみましょう。」
という歯だけを見て開始する安易な矯正治療はたいへん危険なのです。
様々な要素を把握し検討したうえで拡大するのと、ただ、拡大することしか考えていないのでは、同じ拡大でも大きな違いがあります。
安易に拡大することによって、状態を悪化させてしまうタイプもあるのです
受け口にもいろいろなタイプがあります。隣のお子さんが簡単な装置で受け口が治ったからといって、ご自分のお子さんも治るという単純なものではありません。
子どもの矯正治療は、今後の成長発育や歯の萌出状況を、骨格や歯の特徴、問題点から予測し、それに対するベストの対応策を考えるというきちんとした診断と治療方針の決定が必要です。
そして、その子が高校を卒業する頃に、どういう状況になっているか、難しくなった場合には、どう対応するのかまでを見通して治療を開始します。
「小さい時に矯正治療をしたんですけど、、と言って、中学生、高校生になったお子さんを、お母さんが当院にお連れになることはしばしばですので、最小限のお子さんの負担で、最大の効果が得られるようにしてあげたいものですね。」とお話させていただきました。