矯正治療という医療が目指す正常咬合のために
イノウエ矯正歯科では、治療終了後、すべての患者さんに治療前の写真と治療後の写真をお渡ししています。
その写真を見た患者さんたちは、苦労した甲斐があったと喜びをかみしめてくださっているようです
当院に来てくださっているパートさんが、お渡しする写真をプリントアウトしてくれているのですが、彼女も矯正治療の開始を決意されました。
「多くの治療前と治療後の写真を見ていると、自分もやりたくなった」と言っておられました。
厚生労働省のHPのガイドラインで、治療前後の写真を掲載することが禁じられましたので、当院のHPからも消去しましたが、残念なことだと思っています
「そのような写真を掲載すると、みんな同じように成功すると思われるから」というのが理由らしいのですが、痩身の宣伝と同じにされてしまったことが本当に残念です
矯正治療は、スタートはそれぞれ異なりますが、目指す正常咬合はほとんど同じです。
骨格や歯の特徴などで少しの差はありますが、歯の並び方、上下のかみ合わせ、歯の根の角度など一定の基準があって、私たちはそれらを目標に仕上げていきます
目指すゴールに持っていくために、どういう方針を立てればいいのかを、考え抜いてから治療に入ります。
なので、矯正治療は診断と治療方針の決定が成功の8割を担っていると言われているのです
最近、並べるたけの矯正治療、装置を入れるだけの矯正治療など、心配な治療が広まっているようです。
先日会った香港の友人も、元の状態よりも難しくなって、日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)のところへやってくる患者さんが増えてきたと嘆いていました
制度で医療をコントロールすることはとても難しいことだと思います。
患者さんご自身が、しっかりアンテナを張って、より良い医療を受ける姿勢を大切にしていただきたいと思います