子ども矯正治療
最近、お父様の転勤のために、矯正治療を途中からを引き継ぐ場合や、他院で治療を受けていて、なんだかおかしいからと転医をご希望される場合に、この治療は???と考えさせられてしまうことが増えているように思います。特にここ数か月、子どもさんのケースによく遭遇するので、心配しています。子どもの矯正治療が普及してきたからかもしれません。
成人のように複雑な装置を使わないために、「子どもの矯正治療は容易である」と、歯科医師もお母さん方も考えがちなのですが、子どもの矯正治療の方がむしろ、奥が深く、難しく、慎重に開始しなければいけないということをお伝えしたいと思います。
たまたま簡単な装置で簡単に治ってしまう症例もあるかもしれませんが、子ども矯正治療は、成長発育や習癖などが絡んできて、とても複雑なのです。
もし誤った矯正治療を行ってしまったり、有効な治療を施さずに過ごしてしまったりすると、元には戻れないという恐ろしさを持っています。
成人の場合には成長発育がないので、なんとかやり直しができますが、子どもの場合は、開始前の年齢に戻ることができないので、やむをえずその続きからの治療しかできないのです。成長がゆがめられてしまったり、顎関節症を引き起こしてしまったりしている場合もあります。
「患者さんも先生も泣いている。」ということを聞いたことがあります。本当に残念なことです
子どもの矯正治療こそ、安易に考えないで、慎重に判断して矯正治療を開始してほしいと思っています。