矯正治療と反抗期
お母さんと息子さんお二人がイノウエ矯正歯科に通院してくださっているYさん。
昨日はお母さんの診療だったのですが、
質問用紙と息子さんのファイルがいっしょに出されていたので、???と思ったら、
中1の息子さんが、反抗期で、寝ているときにつける装置を使わなくなったとの事。
私は、「そうでしょう、そうでしょう。それが当たり前です。
お母さんは心配しないでいいですよ。私から話します。
どうしても無理なら、お休みしてもいいんです。」
お母さんは、「先生が、治療と年齢の関係を言っておられたのが、よくわかりました。」
って、言ってくださいました。
そうなんです。この時期、みんな言うことを聞かなくなるのが当たり前なんです。
だから、複雑なマルチブラケットという装置は避ける。
それまでに、一期治療で治しておくか、この時期には最低限の治療だけを行って、
高校生になってから、本人が納得したうえで、複雑な装置を開始する。
それが、30年間、何千人という患者さんを診察させていただいた私の結果です。
ドクターにとって、手間暇がかかるのですが、子どもたちにとっては、ベストだと思っています。
中学生ぐらいがゴールデンエイジと名づけておられるアメリカの著明な先生もおられるのですが、
その方は、大学の偉い先生で、実際の子どもたちの姿に触れる機会が少ないのだと思うのです。
頭で考えればそうなのですが、毎日の子どもたちを見ていると違うんです。
この反抗期に、複雑な装置をつけて、親も子も辛い気持ちになって、
中途半端で矯正治療を断念している親子が、結構おられるんじゃないかな?
って、心配しています。
矯正治療が、子どもたちの苦痛だけに終わらないように。。。。
健康な歯と素敵な笑顔で毎日を送れるようになるように。。。。
何よりも、子どもたちが自分の歯に愛着を持つようになって、
自分から一生、歯を大切にしようと思う気持ちを育てることが、
私の仕事だと思っています。