矯正治療は、装置よりも診断力と技術力
初診相談をしていると、矯正装置さえつければ、歯は、自動的に正しく並ぶと思っておられる患者さまがおられることに気付きます
そう思っておられる歯医者さんさえ、おられるような気がします
装置のメーカーというか、矯正材料を扱う会社では、装置を売って業績をあげたいと思うのが当然でしょう。
なので、その装置でうまく治った症例を使って、使い方などを説明してくれる先生にお願いして、講習会を開きます。
そうすると、講習会に参加した先生方は、その装置を使いさえすれば治るような錯覚を覚えるのではないでしょうか?
偉そうに言う私だって、矯正を始めて2年か3年目の頃、なんでも治療できるような気分だったことを思い出します。
このことは、40代、50代ぐらいの矯正の先生たちは、声をそろえて言います。
簡単そうに見えて、実は難しい症例である。ということを、経験を積みながら勉強しながら、見極める力、対応する力をつけていくのです。
業者さんが売り上げを伸ばしたいのも当然、その講習を受けた先生が、矯正治療を始めたいのも当然、なんら責められるべきことはないのでしょう。
でも、矯正治療のように、専門性が高く、装置よりも、診断力、判断力、技術力によって大きく治療結果が左右される分野では、危険をはらんでしまいます。
矯正歯科という標榜が、なんの資格試験もなく自由にあげられる現在、一般のみなさんが、賢く自分自身を守るしかないのだと思うのです