小児矯正2
「子どもの不正咬合」という本を、昨年出版しました
この中には、私が30年かけて培ってきた小児矯正の考え方を凝集しているつもりです
私も開業したばかりの頃は、子どもの不正咬合に対してどう対応するのが良いか、迷いがありました
大学の矯正の医局では、主に、マルチブラケット装置、エッジワイズ装置などと呼ばれる複雑な装置による治療法の習得がメインになるので、その技術や診断力は鍛えられますが、小児矯正に関する系統だった講義はなかったのです。
ですから、テキストや文献を読みあさり、日々目の前の子どもの患者さんに、より良い治療はどうあるべきか考えながら、今の私のやり方が確立されてきました。
もうひとつ、自分の子育ての経験から確立したものもあります。
開業当初は、私の二人の子どもは、5歳と3歳で、まだまだ、子どもの成長のことがわかっていませんでしたが、その子どもたちが、小学生になり、思春期の難しい時期を向え、そして大人になっていく姿を見守ることができました。
そして、我が子の成長の様子を、多くの診療室の子どもさんたちの姿と重ねながら、毎日の診療をしていると、理論だけではなくて、子どもの心の成長に合わせた対応が必要であり、子ども自身に問いかけることで、大きな治療成果が出ることを経験してきました。
そんなこんなで、今の私の小児矯正のやり方が出来上がりました
特に、小児矯正は、同じ患者さんを10年以上診て、また、その結果をフォローし続けて初めて、その治療の結果を評価することができます。
年よりになると、白髪やしわが増えてきて悲しいのですが、
年をとったからこそ、私なりに確立できた小児矯正に関しては、年に感謝!です