矯正治療の違いの大きさ
初診患者さまやメールでのお問い合わせで、最近つくづく感じたこと。
矯正治療は、ドクター間の違いが大きすぎるということ。
この世の中で、どんな矯正治療が、どのくらいおこなわれているのだろう???と
ふと、思いをはせてしまいました。
インフルエンザの治療をする際には、ある一定の検査の方法があって、
処方の薬も決まっていて、ドクターによる差はそれほどないような気がします。
でも、矯正治療は、信じられないほどの差があるのです。
最近は新製品の開発ラッシュで、業者とそれに関係する先生は、
講習会で、その装置の治験例を通じて、その装置のすばらしさをお話します。
それを受講した歯科医師は、それを信じて、その装置を使えば、
自分でも簡単に治せるような気がしてくるのでしょう。
しかたのないことかもしれません。
でも、矯正治療はそんなものではないのです。
知識、経験に基づいた診査、診断能力。
手先の器用さ、細部へのこだわりが物を言う技量。
患者さんにご理解いただき、協力を引き出す資質。などなど。。。
難しい症例に遭遇しても、それが難しいということもわからないまま、
治療を開始している例もあるのです。
私も若い頃はそうだったとは思うのですが、私は大学の医局で、
多くの症例を診させていただき、先輩の意見を聞き、論文を読んで育ってきました。
でも、開業医さんたちが、ちょっと講習会へ行って矯正治療を始める場合には、
それを規制するものは何もないので、やむをえないのでしょう。
だからこそ、矯正治療を開始する際には、患者さま御自身が、
よく説明を聞いて、納得いかなければセカンドオピニオンも聞いて、
華やかなインターネットの広告や、誘いの言葉に惑わされないように、
慎重に開始することが重要なのだ。と改めて思いました。