There is no easy case!
火曜日, 6月 10th, 2008”簡単な症例なんてひとつもない獵”この言葉は、私が若い頃、アメリカ人の矯正医アレキサンダー先生から聞いた言葉です。そのとき、私は”ふーーん。そうなの。”ぐらいにしか思っていなかったのですが、矯正臨床28年が過ぎた今は、”その通り”とつくづく思うのです。
今日も患者さんとお話ししていたのですが、”簡単に治せますよ。”と言われるとそちらに惹かれるとのことでした。”なるほど、そうなんだろうなぁ。。”って思います。私も若い頃は、”歯を押すか引くかすればいいんだから、矯正は簡単獵”なんて、とんでもないことを思っていましたが、今は、矯正治療の奥深さを感じる毎日であり、こんな症例は、こういう点とああいう点に気をつけないと。。。簡単そうに見えて、歯を安易に抜歯するとエライ目に合うんだよなぁ。。なんて、初診相談の時には、頭をフル回転させて、あらゆるリスクをリストアップして、それらをふまえながら、ご説明しています。
そして、顔の横からと前からのレントゲン写真、歯や顎関節のレントゲン写真と模型、虫歯になりやすさや歯茎の状態、舌や口唇の動きなど、すべてを診査したうえで、最も適した治療方針を選択します。歯科矯正には、その能力が問われるのです。
最近、”簡単”とか”早い”とか、、、そう言った宣伝文句が流行っているようですが、矯正治療開始時には、セカンド、サードオピニオンを聞いて、慎重にスタートしてほしいと思っています