抜歯・非抜歯の判断(その2)
日曜日, 5月 18th, 2008 抜歯・非抜歯の判断の続きです。子どもは、他の条件が非抜歯の適応と判断された場合、比較的、簡単に拡大ができますし、むしろしっかり骨ごと拡大しないといけない場合もありますが、成人の場合は、他の条件が非抜歯に適していても、そう簡単に拡大はできません。骨が固まってしまっていて拡大するのが難しいからです。
前からのレントゲン写真で、歯列が内側に倒れこんでいるような人は、拡大を考えます。ただ、歯の外側の骨や歯茎の厚さが薄い人は、拡大をすると危険です。無理に拡大することによって、歯茎が下がってきたり、外側の骨がなくなってしまったります。コンビームCTという3次元で骨の状況を捉えた像で、歯を支えている歯槽骨に穴が開いていしまっている症例を見たことがあります。
大人の場合で、どうしても拡大が必要な場合は、コルチコトミーと言って、骨の固い部分を切ってから、拡大をすることもあります。
拡大して非抜歯で治さないといけない症例もあれば、非抜歯を求めすぎて、拡大しすぎて、問題が生じてくる症例があります。
順番にブログで抜歯と非抜歯の判断要素について説明を続けようと思いましたが、今日書いていて、やはりブログでは限界がありそうです。
とにかく、抜かないで治せることがファーストチョイスになりますが、抜かないだけが素晴らしいわけではなく、抜いた方がゴールが高くなる場合は、抜歯して治療を行わないといけないし、逆に、抜かないでも治せる症例を抜歯して治すものもちろん良くないし、検査結果をもとに、抜歯、非抜歯のメリットデメリットをよく考えて、相談して、納得して、治療方針を決定するものだということをお伝えして、終わります