イノウエ矯正歯科の改善(その1:予防歯科システム)
イノウエ矯正歯科の”開業の頃にはなく、改善した結果、今は普通に行われていること”を少しずつ紹介していきます。今の患者さんは当たり前と思っておられることも、昔の患者さんはその恩恵にあずかってなかったのです。ごめんなさいその頃も一生懸命ではあったのですが、経験が浅すぎたのですね。
まずは、虫歯予防の体制作りについて大阪大学歯学部附属病院矯正科には、衛生士さんがいないこともあり、(看護師さんしか勤務できないシステムなのです。)あまり、歯磨きについて気にしていませんでした。しかし、開業して間もない頃、熊谷先生の講演で北欧のカリオロジーについて知り、”早期発見、早期治療ではなく、お口の中の環境を変えることが大切、初期の虫歯は再石灰化する獵”というお話に”目からうろこ”でした。そんなカリオロジーを皆さんにも伝えたくて、診療室では紙芝居を作って説明していましたが、娘の学校の絵本サークルで絵本を作り、それが岩崎書店に認められて、”どうしてむしばになるの!”(HPで紹介しています)を出版できました。現在、小さい患者さんには、絵本を読み聞かせさせていただいた後、差し上げています。子どもなりに”なぜ”を知ることで、”自分から磨こう、食べ方に気をつけよう。”って思ってもらいたいのです。小さなお子様以外には、PPTを使ってカリオロジーの説明を聞いていただいています。
また、虫歯になりやすい人となりにくい人がおられますので、リスク判定を行っています。衛生士と一緒に毎週検討会を開き、口腔内診査所見、レントゲン所見、そしてサリバテストと言って、唾液の量、唾液の質、ミュータンス菌とラクトバシラス菌の量を測定するというテストの結果から、虫歯になりやすさを判定しています。
衛生士は、診断時にその結果の説明を行い、個人レッスンでは、そのリスクに応じた歯の管理の仕方、歯の磨き方だけでなく、フロスの仕方、フッ素の使い方などをお教えします。この瞬間から患者のみなさんの歯は、見違えるようになってきます
矯正治療が始まると、毎回衛生士が歯磨きをチェックし、クリーニングしますから、古い歯垢が残ることがなく、新しい虫歯ができることはほとんどなくなりました。
歯磨きがちゃんとできていない患者さんには、イエローカードやレッドカードをお出しして、がんばっていただくようにしています。○○くん!がんばってるかなぁ?
このような当院の予防歯科のシステムについて、その頃は先駆的でしたので、講演を依頼されることがよくありました。日本矯正歯科学会大会のドクター&スタッフ教育講演や、その他のセミナーなど、講演内容がCDで販売もされています。この改善の結果、以前は、ブラケットの周りに虫歯ができてしまうことがときどきあったのですが、今ではほとんどなくなりました。
歯を健康に保つために、矯正治療をするのですから、歯の管理の仕方をいっしょに学んでいただくことは、当然のことだと今では思っています。そして、一生懸命取り組んでくれる衛生士のみんなに感謝しています。今の患者さんは、よかったね 昔の患者さんには、やむをえなかったことをご理解いただければ幸いです。