不正咬合の予防
 不正咬合には2つの原因があります。
 一つは先天的なもので、いわゆる親譲りというものです。歯の形も数も大きさも、顎の形も大きさも、目の大きさや鼻の高さと同じように、親の影響を受けます。残念ながら、この点に関しては予防は無理ですので、矯正治療を受けなければなりません。
 もう一つは後天的なものです。これは、生まれた後の悪い環境によって作られるものですから予防ができます。ちょっとした知識を持つことで、矯正治療を受けずに済めば、こんなに素晴らしいことはありません。
 以下のチェックをして、お子さんの不正咬合を予防してください。
 ちゃんと口唇を閉じて、鼻で呼吸をしていますか?
最近、ぼーっとしているとき、例えば、人のお話を聞いている時やテレビを見ている時に、口が半開きになっている子供達をよく見かけます。うちの子は大丈夫、もしくは、時々かな?と思われた方も、子供さんが何かに夢中になっているとき、そーっと横から覗いてみてください。意外と開いているかも?
 赤ちゃんは哺乳時、必ず鼻呼吸をしています。が、幼児期に鼻がつまりやすい時期があったりするとすぐ口呼吸になります。鼻が治っても、そのまま口呼吸を続けている子がたくさんいます。鼻がつまっているからしかたがない。ということもありますが、逆に口呼吸をするために、鼻に新鮮な空気が送られず鼻粘膜が肥厚して、より鼻がつまりやすくなるという悪循環もあるそうです。鼻の調子の良い時に、口呼吸に戻す努力をしましょう。
 口呼吸をするとどうしていけないのか?
 舌の位置が下前方に位置するようになります。すると、上あごの発育が阻害され、下の歯列が大きくなって、受け口あるいは顎偏位といって左右にずれる状態になりやすくなります。逆に出っ歯の傾向を強くする場合もあったり、開咬といって、前歯がかみ合わない状態を作り出すこともあります。
 歯並びのほかにも、歯ぐきが腫れやすくなったり、唾液の作用が得られないため、前歯にだけ虫歯ができることもあります。

指しゃぶりをやめましたか?
胎児がお母さんのお腹の中で指をしゃぶっている写真があります。生後まもなく指をしゃぶるのは生理的な状態であると言われています。が、2、3才にはやめるように方向付けていきましょう。小児科の先生の中には、無理に指しゃぶりをやめさせると精神的なストレスが大きくなるので、やめさせないほうが良いと言われる先生もおられるとのことですが、指しゃぶりを続ければ、正常咬合はほとんど望めません。出っ歯や開咬という前歯がかみ合わない状態の歯並びになります。舌や頬の筋肉の使い方にも、悪い癖がつきますので、口腔周囲筋トレーニングも必要になってきます。後の矯正治療の大変さを考えれば、精神的な負担が少ないやり方で、例えば寝るときに手をつないでなげるとか、かわいい指人形をつけてあげるとか、ちゃんとできたらシールを貼ってあげるとか、その子にあったやり方を工夫してやめさせてあげましょう。

食事中にお茶や飲み物を置いていませんか?
 かみ合わせの不安定な患者さんや顎の発育の悪い患者さんに聞いてみると、食事中にお茶を置いているという答えが返ってきます。食事中はしっかりかんで、自分の唾液で飲み込むことが顎の発育のためにも、唾液の働きを十分発揮させるためにも大切です。お茶は食後にしましょう。

片方ばかりで噛んでいませんか?
 子供さんのなかには、虫歯が痛かったから、生え変わりの歯があったからなどの理由で、その後も片方だけで噛む癖が残っている子がいます。毎日のことですから、片側咬みをずっと続けていると、それだけで歯列の歪み、顔の歪みへと発展していく場合があります。子供さんの上下の前歯の真中が合っていない時、この片側咬みに気をつけましょう。(左右の非対称には様々な原因がありますが、放置すると大きな問題へと発展する場合が多いので、早めに専門医に相談してください。) 
                       by Yasuko Inoue  

トップ アイコントップページへもどる

Copyright© 2010 Inoue Orthodontic Clinic. All rights reserved.