デーモンブラケットをお使いですか?
 最近、デーモンブラケットをお使いですか?とよく聞かれます。
いいえ。と答えるとがっかりされます。でも、ちょっと誤解もあるようなので、説明させてくださいね。

 デーモンブラケットはオルムコ社という矯正材料メーカーによって新しく開発されたブラケットの商品名です。開発された先生のお名前がつけられています。(以前、デーモン先生が石橋クリニックにいらっしゃったことがあるんですよ。)
 ブラケットという歯に付ける装置と挿入するワイヤーとの間の摩擦力を減らし、すべりを良くして治療期間を短くし、装置の着脱を容易にして治療時間を短くして効率をあげる。というのが主な特徴です。

 ただ、そのような目的のブラケットは、各社からさまざまな商品名で出ています。デーモンブラケットだけが、インターネットや一部の新聞で大きく取り上げられているので、有名になり、デーモンブラケットでないとダメと思っておられる患者さんもおられるようですが、心配しないでください。イノウエ矯正歯科でも、他社の同様のブラケットを用意していますし、また、治療内容によっては、違うタイプのブラケットの方が効果的な場合もあります。

 また、ブラケットという矯正材料の存在は、矯正治療のごく一部を占めるだけ。ということもよくご理解いただきたいと思います。検査結果から問題点を把握し、問題点の解決に、どう対応するのか、不正の原因は何であって、原因を除去するにはどうすれば良いのか。最も適正なゴールはどこで、そのゴールに、より効率的に到達できるには、どういう方法を選択するのが良いのか、そういった診断や治療方針の決定が大きな部分を占めます。また、治療経過をコントロールする技術力や経験も大切です。ブラケットは、ドクターの治療の一部をお手伝いする存在ですので、より性能の良いブラケットが開発され、ドクターの力がより効率的に発揮されるよう活躍してくれるのは素晴らしいことですが、そのブラケットを付けさえすれば、どんな症例でも素晴らしく治ってしまうのではないことを、ご理解ください。
 また、ドクターの力だけでもなく、患者さんご自身のがんばりも、治療の成否を決める大きなファクターとなっていることを忘れないでくださいね。

 ブラケットをつければ、ある程度、歯は並ぶかもしれませんが、8020(80歳で20本の歯を残そうという歯科医師会のキャンペーン)、否、それ以上を目指せる正しい歯並び、かみ合わせにゴールインするのは、そう簡単なものではないのです。ドクターの高い知識と技術、そして患者さんの協力、お互いの信頼関係によって始めて、素晴らしい歯並びと笑顔をもたらすことができるのです。矯正治療ってブラケットの種類だけでは決まらないことをご理解いただけましたでしょうか?


 この文章を書いている間にも、初診相談の患者さんから質問を受けました。
 「歯を抜かないで治してもらいたいと思っているのですが、デーモンブラケットなら、抜歯の確率を○○%下げることができるとインターネットにあったのですが、先生はお使いですか?」
 抜歯非抜歯は診断で決まります。また、非抜歯の確率を上げる方法は他にもあります。
デーモンブラケットは素晴らしい装置だとは思いますが、魔法の装置ではありません。デーモン装置を使っていればすべてうまく治すことができて、使っていないと治せないわけではないということをご理解いただければ幸いです。

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